大きな作品の土器焼き
土の子陶房作品集 「MIND ART WORKS TSUCHINOKO」 ご紹介
土の子陶房は、1985年に誕生しました。障害をもつ人たちを中心とした陶芸は、土づくり、薪づくり、作品づくりまでの全工程が分業されており、様々な作品を生み出します。 |
陶土作り 大阪府南部の泉州は、日本最初の焼き〆の陶器である須恵器が産出されたところです。泉州で焼かれた須恵器は大和朝廷の力を誇示するかのごとく、全国各地、朝鮮半島にまで及んでいます。その地元産出の赤土を陶土に仕上げています。 縄文粘土づくり フレットのラインでつくる縄文粘土は、まさに縄文土器に使用されていた粘土を再現するために、陶土に対して一定割合(企業秘密)で不純物を混入します。植物の繊維分や砂、焼いた粉(シャモット)などです。これらはすべて生産途中で産出されるものや廃棄される瓦などを利用しています。捨てればゴミ!使えば資源! パレットを解体する 廃棄される木製パレットを解体し、燃料として使用します。マツ材も多数使用されているので、登り窯で使われている燃料に負けず劣らずの良い燃料として使えます。しかしクギなどを抜くのが並大抵の苦労ではありません。重い障害をもつ人たちも参加して、1本1本クギを抜くという根気強い作業が毎日続けられています。 |
TSUCHINOKO作品は、穴窯を使った高温焼成による無釉の焼き〆と、露天で焼成する土器が中心です。穴窯の焼成は、6日〜7日間連続ブッ通しで薪を焚き続けますから、なかなか“誰でもできる”とは言いかねますが、土器焼きは露天で2時間程度で焼成できますので、焼物の体験には最適です。土の子の作家には、知的障害をもつ人もたくさんいますが、密閉された窯から“焼物”となって現れるより目前で“焼物”に変化するほうが数段わかりやすいようです。 | 縄文土器には、使用目的(祭事や煮炊きなど)とともに縄文の時代を生きた人々の思想が紋様として刻まれています。土の子陶房では、縄文土器の文様を施した道具類を作り、ヒモやタマなどのパーツ作りを学ぶことで、縄文の人々に思いをはせます。壷型などもロクロではなく、ひとつひとつヒモで積み上げてつくります。それに施紋・装飾していくと、ひとつ仕上げるのに実に多くの時間が必要です。これも、悠久の時を過ごした縄文の人々と語り合うのに必要なトキなのです。そしてこれが、セッカチで、物事をカネに置き換えないと評価されない現代の価値を問い直すTSUCHINOKOの想いなのです。 |
あなたに伝えたいぬくもりの世界 「MIND ART WORKS」 〜ひと粒の自分を探しに |
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≪ 執 筆 者 ≫
作品たちが語りかける人生のすばらしさを、生きる喜びを
板原克介 社会福祉法 人いずみ野福祉会 専務理事
人の心をつなぐ土のこの仲間たち
松岡能彦 土の子陶房 主宰
私と土の子陶房
西念秋夫 西念陶器研究所・轟窯
土の子陶房と「マインドアート」作品展
沢原一志 天満屋 岡山店 商品企画 統轄
充たされることは、ハンディか
隠崎隆一 陶芸家
「夢」を手に入れたぬくもりの世界の住人たち。
広瀬之宏 クリエイティブディレクター